サーマレストのネオエアーキャンパーSVが入荷しています。

キャンプ専用3シーズンエアー式マットの中では特にオススメの商品です。

サーマレスト ネオエアーキャンパーSV

サーマレスト ネオエアーキャンパーSV Lサイズ 税込価格 ¥25,520

以前、マットはクローズドセル式、インフレータブル式、エアー式があると説明しましたが、今回のネオエアーキャンパーSVはエアー式となります。

サーマレスト Z-Lite SOL

エアー式マットの欠点

いきなり欠点から説明するのは気が引けますが、ここを理解しないとこのマットの良さが分からないので仕方ないですね。

通常エアー式はその名の通り、空気をマット内部に封じ込めてその空気の層が断熱、クッションの役割を果たします。

いかにも寝心地良さそうで全部エアー式にすればいいじゃん!と思うかもしれませんが、そうは行きません。

まず当然ながら空気を入れないと使い物になりません。

この空気を入れる作業、実はかなり辛いです。殆どの方は浮き輪を膨らませた経験があると思いますが、あそこまでとは言わずとも結構苦労します。

しかも空気を抜く作業、これがまたしんどい。端から膝とかを使って押しながら空気を抜いたりしますが、さっさと撤収したいのにこの作業のせいで「もうキャンプ行きたくねえ」となりかねません。

更に、空気をいれるときは口から吹き込みますから、自分の息の中に含まれている湿気がマット内部に入り込みあっという間に結露して暖かさの阻害や生地の劣化に繋がります。ビニール袋に息を吹き込めば直ぐにどのような感じになるか分かるでしょう。

さらにパンクに弱く、穴が空いたらそれまでです。補修もよほど粘着力に優れた密閉性の高いテープでないと直ぐに空気が抜けてきますので専用のパッチが付属するのが当たり前です。

底づきしやすいのも欠点です。寝る時だけ使用するならまだしも通常マットの上では色々な姿勢をとったりするので足で踏んだりするとその部分のみ圧力がかかり、マット自体の生地も低剛性なため底づきします。

とまあ色々とネガティブ要素を聞くとじゃあエア式なんてダメじゃんと思いがちですが、その圧倒的な厚さや収納サイズの小ささなど他に替えがたいメリットがあります。

更には今回紹介するネオエアーキャンパーSVですが、エア式の殆どの欠点を解消しています。

ネオエアーキャンパーSVの凄い所

まず、スピードバルブ(SV)という機構を搭載しています。

これは通常バルブにて息を吹き込む所以外に空気を送り込む箇所を大きめに作り、更にはこのスピードバルブの先端が少し狭くなっていて簡易的な逆止弁の役割を果たし、空気注入時の逆戻りをある程度防いでくれます。

空気の入れ方は気流、つまり流体(この場合空気)が流れるとその周辺で負圧が発生し、周りの物が引き寄せられるという「ベルヌーイ効果」を利用しています。

即ち、上の動画のようにスピードバルブ孔から口を離して息を強く、長く吹き込むことにより、気流を発生させ自分が吐く以上の空気を入れることが出来ます。

この「ベルヌーイ効果」は身近な所で言うと霧吹きや飛行機、ダイソンの扇風機(羽がない)など知らないうちに利用してることも。

実はこの空気の入れ方、間違いや誤解してる方が多く、この記事のような入れ方は完全に間違いで、天下のBe-Palがこんな記事を公開してはダメだと思うのですが・・

さらにこのスピードバルブ、撤収が楽です。寝たままバックルを外すと自重であっという間に空気が抜けます。

生地が分厚いので畳むのは思ったより手間ですが、今までのエア式マットに比べると望外に楽で、空気が抜けるまでじっくりと待つ必要はなくなりました。

さて空気を入れるのが楽なのは分かった。じゃあ、肝心の寝心地は?と問われれば、今までのエア式とはケタの違う寝心地です

例えて言うとコットの上にインフレータブルマットを敷いた感じに似ています。

店長が実際に寝て見た所、十分な厚み、コシのある生地、両端が盛り上がってる形から包み込まれるような感じなどおよそ店長も沢山のエア式マットに寝転んでみましたが思わず笑みがこぼれました。

作りも実に凝っており、ただ袋状のナイロン、という単純な構造ではなく、中には複数の仕切りが横に配置され上下生地に接着されています。これが内部の空気の流れを遅らせ偏りや底付き感の無さに繋がっています。どうやって作ったんだろうと不思議な気持ちになりますね。

実際に屋外で寝てみると

あえて条件の悪い環境で実際寝てみました。

まず、河川敷にある板チョコ形状の堤防の上で、普通のマットなら地面がどんな形状をしているか分かる環境です。

ネオエアーキャンパーSVだと・・・凹凸なにそれ?という状態で下の様子が全く分かりません。ただただ寝心地が良いだけ。

次は川の中州にあったこの岩の上

岩が所々尖っているのでシートを敷いて寝てみました。

流石に岩の形状が分かり、体は岩の形に沿って曲がるものの、大きい石を集めて隙間を埋めれば全く問題なく寝れるでしょう。

というわけで、条件の悪い環境でも寝心地はほぼ完璧でした。

お買い上げのお客様は「今度行くキャンプ地は不整地だからちゃんと寝れるかなあ」などという心配からは一切開放されます。

サイズ選び

男性はLサイズ、女性は標準サイズをオススメしますが、大きければ大きいほど快適になるのも事実で全ての方がLサイズ以上を選べばいいような気もしますが、考慮すべき点として車での使用をどうするか、ですね。

SUVなどは後席を畳んでも180cm位が限界なのでLサイズの196cmだとはみ出して使えず(何とかなるかと思いましたがどうにもなりません)、ということを考えるとレギュラーサイズが一番汎用性が高いかなと思います。

所有者が1BOXであれば二列目三列目を畳めば十分に余裕があるので間違いなくLサイズ以上をオススメします。

  R L XL
カラー メディテラニアンブルー メディテラニアンブルー メディテラニアンブルー
大きさ 51×183cm 63×196cm 76×196cm
重量 820g 910g 1100g
表面材質 75Dポリエステルダブルダイアモンド 75Dポリエステルダブルダイアモンド 75Dポリエステルダブルダイアモンド
裏面材質 75Dポリエステル 75Dポリエステル 75Dポリエステル
厚さ 7.6cm 7.6cm 7.6cm
収納サイズ
(長さ×直径)
13×13×25cm 15×15×30cm 15×15×36cm
R値 2.2 2.2 2.2
生産国 Made in USA Made in USA Made in USA
価格(税込) ¥20,520 ¥25,920 当店在庫無し

使い方のコツ

まず、スタッフバックから取り出したマットを完全に広げ、バルブを閉じ(通常バルブも付属します)、スピードバルブを広げ、黒いペラペラの弁を完全にマット内に入れます。

この時手も一緒に突っ込むと空気が少し入って次の空気封入作業が少し楽になります。

マットに折り目がつかない体制でスピードバルブから口を数センチ離し、一気に空気を吹きます。

これを数回繰り返すとある程度マットが膨らみますので、更に空気を吹き込みます。

ほとんどマットに空気が入ったらバブルの口をみっちり閉じ、7回折り返して最後にバックルをロックすれば完了です。

この7回折り返す作業でスピードバブル付近の空気がマット内に移動するのでマットはかなりパンパンに膨らみます。

足りなければ通常バルブから空気を吹き込めば良いでしょう。

最初は中々難しいですが、慣れれば感覚でコツが分かってきます。

全然入らない!というのはやり方が間違えてるだけなので手順を見直して何度も練習してみましょう。

登山に使用出来るか

不可能ではないですが、残念ながら現実的ではないと言えるでしょう。重さと大きさは間違いなく登山向きとは言えません。

それでもテン泊場所が岩でゴロゴロで普通のマットじゃ背中が痛いというのであればレギュラーサイズならばギリギリ許容範囲内でしょう。

基本的にはキャンプ、しかもオートキャンプ専用だと思ってください。災害用に常備しておくのもオススメですが、半年に一回位は実際に空気を入れて使用してください。

長期間収納したままにしておくと空気中の水分でカビが発生したり、生地の癒着に繋がります。

少々お値段は高いですが、買って絶対に損なしの一品です。

 

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