以前紹介したフェアハンドランタンがテーブルランタンだとしたら、こちらは本格的な加圧式ランタンでキャンプサイトを強力に照らす光量400W。

現在正規輸入されている灯油ランタンの中ではほぼ頂点に位置するペトロマックスラピッドランタン HK500の紹介です。

加圧式ランタンとは

HK500はコールマンのガソリンランタンでもお馴染みの加圧式(=圧力式)。

タンク内をポンピングで加圧しておくことによって燃料を吸い上げ(=押出し)、ジェネレータが燃料を気体化(ガス化)、そのガス化された燃料に点火することによって燃焼を行い、発生した熱が炭化したマントルを輝かせて光を放出します。

マントルとはガラス繊維を原料とする袋状の発光媒介物質で、電球でいうとフィラメントの役割を果たし、炭化したマントルが熱エネルギーを得て発光する「サーモルミネンス」という現象を利用して光り輝きます。

フェアハンドランタンなどは燃料が液体のまま芯を媒介して燃焼時に出た光を直接使用しますが、加圧式ランタンは一旦気体化(酸素を大量に含ませた)させた燃料から得たエネルギーでマントルを発光させるという違いがあり、熱エネルギーを光に変換する効率は非常に高く、圧倒的な光量を誇ります。

発生した熱は液体燃料を気体化させる為にジェネレーターを繰り返し温め、再度気化した・・という燃焼サイクルを起こします。

こう聞くと燃焼サイクルのロジックは車のエンジンの構造に少し似てますね。

神聖な儀式?プレヒート

ガソリンは気化しやすいので点火は比較的用意ですが、灯油は引火点が低く、そのままでは簡単に燃焼サイクルを起こしません。

そのため、HK500を含めた全ての灯油ランタンは点火前にジェネレータを温める「プレヒート」という儀式を行う必要があります。

面倒くさいですよね? 何せアルコールをジェネレーターの周りに垂らして火をつけ、ジェネレーターが温まるのを待ってから燃焼バルブを開く。

HK500の場合は内蔵されている予熱バーナーで90秒の予熱を行わないと燃料が気化しない。

燃料バルブを開いてライターで点火すれば(ちなみに、この時コレがすごく便利です!)すぐに点灯するガソリンランタンに比べて面倒ですね。

でもね、面倒なのは点火時の1回だけ。あとは偶にタンク内圧力が下がりすぎないようにポンピングを行うだけで基本的には燃料切れまで点灯し続けますので、

ガソリンランタンとの違いはほぼこのプレヒートを必要とするかどうかのみです。

美しい筐体

ニッケルメッキ(他にブラスモデルもあり)で全身銀色に輝いた筐体は意外と自然にも溶け込み、数あるランタンの中でもオサレの境地に達しています。

HK500を点灯させて「うーん、確かにちょっと面倒くさいけどカッコいいなあ」とうっとりする自分の姿が想像できちゃったりしませんか?

ランニングコスト

さて、その美しさもさることながら、使用燃料が灯油でランニングコストが安いという利点があります。

通常ガソリンランタンはホワイトガソリンと呼ばれるガソリンを精製したものが使用されますが(ちなみにドライクリーニングなどで使用されるのもホワイトガソリンです)、これがかなり高額で、普通に4L缶か1L缶を購入するとリッター800円~1000円もします。

しかし、ご存知灯油はお安い。まずリッター100円を越えることはありません。

とはいうものの、灯油は劣化が早く、家庭用ストーブなどでは昨シーズンの灯油は使用するなと明記されていたりするのですが、HK500も例外ではなく昨シーズンの灯油は使用するべきではありません。

ということで、確かにコストは安いが若干灯油の管理が大変で、下手をすると大量に買った灯油を破棄することとなり、むしろホワイトガソリンより高くつく可能性もあります。

メンテナンス

残念ながらメンテナンスの宿命からは逃れられません。

まず、初年度は問題なく燃焼出来るでしょうが、二年目、三年目ともなるとある程度の分解整備が必要となります。

しかもこの場合、ランタンの構造の理解がある程度必要です。

とはいうものの、さほど恐れる必要はありません。輸入代理店である「スター商事」さんからメンテナンスパーツが豊富に用意されており、少なくてもパーツが無くてお手上げ・・ということは当分ありません。

殆どモデルチェンジしてないことからも一生モノといってもいいでしょうね。

そもそも灯油を使用するランタン、バーナーはガソリン仕様のランタン・バーナーに比べて何らかしらのメンテナンスを必要とします。

これは気化しづらく、煤を発生させやすい灯油を使用することに関係しますが、燃料コストが安い分、仕方ないとも言えるでしょう。

例えでいうと、ガソリンランタンは日本車、灯油ランタンは一昔前の外車というくらいのメンテナンスの差があります。

燃料切れもガソリンは放置してて問題ありませんが、灯油ランタンを放置するとやや問題が発生しやすいです。

ノーメンテがいい!という方は素直にコールマンのガソリンランタンや、ガスランタン、究極的にはLEDランタンなどにした方が良いでしょう。

付属品:マントル×2、漏斗、プレヒート用ボトル、補修パーツ、ステッカー、マニュアル

ちょっと不思議なのは、点火時が面倒で、メンテナンスも必要とするHK500を含めた灯油ランタンって手放す気にはなれないんですよね。

店長も過去オークションなどで処分したランタンは全てガソリンモデルかガスランタンで灯油ランタンは一つも手放していません。

手をかけた子の方が可愛い。きっとそういうことなのかもしれません。

お店としてはオススメしにくい製品ではありますが、そこを敢えてオススメします。

HK500を買ってキャンプを楽しんで下さい!

使用動画

税込価格 ¥28,080(本体価格26,000)→10%off! ¥25,272


 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう